トランプがイラン核施設爆撃 中東に底なしの復讐を招く選択をしたトランプの心理と、爆撃効果への疑問
国際社会の注目は、米国、イラン、そしてイスラエルの緊張に集まっている。そんな中、静かに「漁夫の利」を得ている存在がある。北朝鮮だ。
今回のトランプ氏によるイラン核施設への空爆は、中東に新たな報復の連鎖を生むだけでなく、「米国の攻撃能力の限界」という貴重な情報を、北朝鮮に与えることにもなった。
北朝鮮はすでに、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)の開発を進め、米国本土を射程に入れる段階にある。そして今、イランが見せた「核施設防御」の知見──地下80メートル以下、固い岩盤の中に設置された施設は、米国最強のバンカーバスター爆弾を以てしても破壊できなかった──これが北朝鮮にとって極めて重要な軍事的ヒントとなった。
紹介した記事では、「イスラエルは実際には破壊できていないのに、ネタニヤフ首相はあたかも成功したかのようにトランプを誘導した」としており、米国は“見せかけ”の情報で一方的な判断に至ったとされている。
結果的に、米国の“力の外交”は実効性を欠くだけでなく、同盟国の信頼も損ね、北朝鮮のような対米対立国にとっては「反撃戦略のヒント」となる教訓を提供してしまった。
これこそが、トランプ外交の最大の弱点であり、北朝鮮にとっては絶好の学習機会となったはずだ。
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