「賃金100万円増より、いま必要なのは物価対策だ」――自民党の参院選公約に疑問:【速報】自民が参院選公約発表「30年度までに賃金100万円増加」 2万円の給付金などで「日本を動かす 暮らしを豊かに」
2025-06-19


【速報】自民が参院選公約発表「30年度までに賃金100万円増加」 2万円の給付金などで「日本を動かす 暮らしを豊かに」 [URL]

自民党は2025年の参院選に向け、「2030年度までに平均賃金を100万円引き上げる」ことを柱とした公約を発表しました。さらに、2040年までに名目GDPを1000兆円に、平均所得を5割以上引き上げるといった長期目標も盛り込まれています。加えて、2万円の給付金など「暮らしを豊かにする」施策をアピールしています。

確かに賃上げは望ましいことです。しかし、今本当に必要なのは賃上げではなく、物価上昇への対策ではないでしょうか。

■ 賃上げは政府の直接の仕事ではない 賃金の引き上げは、基本的に企業の判断によるものであり、政府がどこまで実現に関与できるかは不透明です。しかも企業によって体力差があり、賃上げが可能な企業とそうでない企業の格差はむしろ広がるおそれがあります。無理な賃上げは企業収益の悪化やさらなる商品・サービスの値上げを招きかねません。

■ 年金生活者・低所得層は取り残される 仮に賃上げが進んだとしても、その恩恵を直接受けられない人たちがいます。年金生活者や非正規雇用の人々です。年金は物価スライドで調整されるとはいえ、反映には1年の遅れがあり、しかも実際には物価上昇率の半分程度しか反映されません。

つまり、物価が先に上がり、賃金が後から上がるとしても、その「間の苦しみ」は無視されているのです。

■ まずやるべきは、物価抑制と生活支援 賃上げ政策を掲げる前に、政府が今すぐ取り組むべきことがあります。たとえば、

消費税の減税や軽減税率の見直し

電気・ガスなど公共料金の抑制策

原材料・輸送費の高騰を抑えるための中小企業支援

一時的な生活支援給付(※全体的な政策の一部として限定的に)

こうした物価上昇への直接的な対策こそが、幅広い国民の暮らしを守る近道ではないでしょうか。

■ 選挙向けの聞こえのよい公約に警戒を 「賃金100万円増加」という数字はインパクトがありますが、実現可能性や公平性、効果の時期を冷静に見極める必要があります。耳ざわりのよい目標だけでなく、「いまの暮らし」にどう向き合うかが、政策の真価です。

選挙を前にした今、賃上げという未来の話より、今日の食卓を守るための物価対策を本気で考えるべき時ではないでしょうか。

[国の政策]

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